FXとは

Foreign eXchange」の略で国内においては外国為替証拠金取引を示します。外国為替証拠金取引は証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいいます。ニュースなどでも「日経平均株価」「ニューヨークダウ」「円相場」なんて言葉を聞くことがあるかと思いますが、「円相場」「ドル円」などと言われているものがこのFXです。

「外国為替取引」はピンとくるけれども、「外国為替証拠金取引」の"証拠金取引"って何?と思われる方もいるかと思います。違いは次の通りです。

外国為替取引とは

為替レートを基に日本円と米ドルなど異なる2つの通貨を交換する取引のことです。通貨の両替や、投資手段として用いられることが多く、投資手法としては外貨預金、FX(後述)などが存在します。

外国為替証拠金取引とは

外国為替取引の一部で、証拠金を差し入れて日本円と米ドルなど、2つの国の通貨の為替相場を予測して売買を行う金融取引です。

つまり、FX=外国為替証拠金取引は、2つの国の通貨の為替相場を予測して、”証拠金”を担保にその何倍もの金額を運用し取引することができます(「レバレッジ」と言ったりします)。少額の資金で取引が始められ、投資金額に比べて大きな額の取引を行うことができます。

FXは必ずしも”証拠金”を担保にレバレッジをかけた取引を行わないといけないわけではないのですが、レバレッジ取引が可能なことから多くの個人投資家にも利用されている要因の一つにもなっているのです。

(参照)
金融庁「外国為替証拠金取引について」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/iwagai/

FXの歴史と市場

FXの歴史

FX取引が日本でもできるようになったのは1998年です。それまで為替取引は一部の金融機関だけが取引を認められていましたが、外国為替及び外国貿易法(外為法)の法改定によって日本においても個人や一般企業でも利用ができるようになりました。その後、インターネットの普及により、多くのサービス提供者が増え、個人トレーダーが増えていく中で”デイトレーダー”や”億り人”などメディアでも大きく取り上げられるようになり、現在では多くの人に知られるような金融取引となっております。

FXの市場

矢野経済研究所によると、2018年3月期の国内における市場規模(預り証拠金残高)は1兆4,143億円、口座数は667万口座と言われております。そのうちアクティブな口座比率(四半期以内に取引があった口座比率)が約10%程度と仮定すると約70万口座が現在運用されている口座となります。

つまり、延べ人数となりますが、国内ではおおよそ70万人がFX取引をしていることになります。最新の統計によると2018年の日本の生産年齢人口(15歳から64歳男女)は約7545万ですので、約1%の社会人がFX取引を行っている計算になります。

国内のFX市場規模推移


FXの市場規模は現在も年々増加しており、2018年は前年比で7.3%、口座数は6.6%増加しており、2019年以降もこの傾向は続くと予測されております。

(参照)
矢野経済研究所「FX(外国為替証拠金取引)の動向調査を実施(2018年)」
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2139
キャピタル・エフ「国内FX口座数推移」
http://forexpress.com/data/total_account.html

FXの基礎知識

通貨

世の中にはおおよそ180種類の通貨があると言われております。しかし、通貨の取引量や信頼性を考慮し、主に取引されている通貨はメジャー通貨と呼ばれている7種類で、国内の取引業者でも扱われている代表的な通貨ペアは7種類となります。

メジャー通貨

世界的に人気の通貨で取引量が多く、流動性が高くリスクが低い通貨となります。これらの通貨以外のものは、マイナー通貨と呼ばれております。

  • 米ドル
  • ユーロ
  • 日本円
  • ポンド
  • オーストラリアドル
  • カナダドル
  • スイスフラン
通貨ペア
世界の通貨ペア

主な通貨ペアは上記5種類あります。メジャー通貨同士のペアが多く上記通貨ペアだけで、市場取引量の約60%を占めます。

(参照)
国際決済銀行(BIS)「Foreign exchange turnover in April 2019」
https://www.bis.org/statistics/rpfx19_fx.htm

取引の時間

FXは平日の24時間取引が可能です。なぜ24時間取引ができるのか?それは実際の証券取引所で取引される株式とは異なり、ネットワークを通じて世界各国の市場がつながって取引が行われているからです(インターバンク市場と言います)。

以下の図は主要な取引所の取引時間を表しています。取引所と言っても、実際に取引場所があるわけではなく、その時間帯に中心となって取引を行う銀行などの金融機関が存在する都市(国)を指しているだけです。

FXの取引時間

日本(東京)においては、金融機関が取引を行う主な時間帯は午前8時~午後17時となり、これが東京外国為替市場の開いている時間となりますが、東京市場の取引時間が終了しても、市場がオープンになった他の国での取引が可能となっているのです。各市場や取引時間によっては特性があるので、取引時間帯の特性を見極めたトレードも重要になってきます。

取引する場所

取引時間のところで説明したように、取引は基本的に世界各国がつながった、インターバンク市場で行われますが、この市場とトレーダをつなげるのが取引事業者の役割となります。基本的に皆さんは取引事業者を通じて、取引を行うことしかできません。

FX取引場所(取引事業者とインターバンク市場)


国内においてFX取引事業者はおおよそ60件程度です。また、国内のみではなく海外のFX会社を利用することも可能です。国内FXと海外FXの違いについては今後別の記事で紹介しようと思います。

取引所によって、取り扱う通貨ペアや手数料、ツールなどは異なりますので、自身のトレードにあった取引業者を選定することが重要です。

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