1.本記事について

1-1.本記事の記載内容

 本記事では海外FX業者の「スプレッド」に関する比較を行っております。

 まず本記事を作成するにあたり、「各社のHPで公表されているスプレッドをまとめる」という方法でデータを集めようとしたのですが、以下の問題がありました。

  • 平均値は公表せず、最小スプレッドのみを掲載しているFX業者がある
  • どの期間の平均スプレッドなのかがわからないFX業者がある

 上記はいずれも比較情報を記載する上で致命的な問題であるため、KABUTO-Projectでは、自作のEA(ExpertAdvisor)を使用して、過去の履歴データから直近3か月間のスプレッドを取得したうえで、スプレッドの平均値、最小値、最大値の比較を実施しました
 EAを利用して実際の過去の値動きから算出することで、すべてのFX業者を同じ条件で比較しているため、他サイトと比較して確実性の高いデータになっていると考えております。

1-2.調査方法について

 スプレッドの調査にあたり、以下の方法で比較を実施しています。

①過去の値動きからスプレッドを取得するEA(ExpertAdvisor)を自作

調査のため過去の値動きからスプレッドを取得するEA(ExpertAdvisor)

②MT5上でバックテストを実行

 ※バックテストとは:「過去の値動きの履歴を用いた検証」をバックテストと呼びます。MT5ではスプレッドも加味された過去の実際の値動きをもとにバックテストを実行する仕組みが用意されており、主にシステムトレードツールの開発者がツールの妥当性検証で利用します。

MT5上でのバックテスト実行状況

③出力結果をまとめ、一覧化

バックテストによるスプレッドの出力結果
スプレッド比較情報についての注意点

 本サイト以外にも、「海外FX会社スプレッド比較!」などのタイトルで書かれているブログは多々ありますが、その多くはデータの取得元が全く記載されておりません。
 そのようなサイトは「FX業者間で比較条件がそろっていない公式サイト掲載の数字を何も考えずにただ載せている」か、悪質な場合は「自分たちの都合のいいように数字を操作して掲載している」恐れもあります。スプレッドに限った話ではありませんが、こういった記事ではデータの根拠がきちんと記載されているかどうかがとても大切です。

1-3.記載内容の前提事項

 本記事を参照いただくにあたり、以下が前提となることを予めご了承ください。

  • 比較対象のFX業者について
     本記事で記載するFX業者は下記の関連記事で紹介を行っているFX業者となります。
  • 口座タイプについて
     本記事で記載する値はすべて「MT5スタンダード口座」での調査結果となります。
  • バックテストで使用したヒストリカルデータについて
     MT5のバックテスト実行時に自動でダウンロードされるティックデータを使用しています。
     ※「quality of analyzed history is 100%」のログを確認済み
  • バックテストで使用したEAの品質について
     今回データ抽出のために作成いたしましたEAについては、事前に十分にテストを行っておりますが、あくまで独自調査の結果であることをご了承ください。

2.海外FX業者のスプレッド(平均値)一覧

2-1.データの抽出条件
  • 対象通貨ペア
    取引量の多いメジャー通貨ペアを中心に、以下を対象としています。
    USDJPY
    EURUSD
    GBPUSD
    EURJPY
    GBPJPY
    GOLD(XAUUSD)
  • スプレッド算出の対象期間
    長期間での調査は現在の値に即していない可能性があるため、以下直近3ヶ月としています。
    2021/11/1~2022/1/31
2-2.海外FX業者のスプレッド(平均値)一覧

※数値の単位は"pips"です
※通貨ペアごとに上位三社の値を青背景にしています

FX業者 USDJPY EURUSD GBPUSD EURJPY GBPJPY XAUUSD FX業者合計
XM Trading 1.6 1.7 2.2 2.2 3.5 3.5 14.7
TitanFX 1.2 1.2 1.4 1.3 2.1 1 8.2
FXGT 1.6 1.4 1.6 2 3 2.7 12.3
FBS 1.3 0.9 1.2 2.2 3.7 3.3 12.6
LAND FX 1.1 0.9 1.3 1.9 1.7 2.2 9.1
Tradeview 2 1.9 2.2 2.1 2.5 3.6 14.3
HotForex 1.6 1.1 1.7 1.7 2.8 1.9 10.8
表からわかること
  • 全通貨の平均スプレッドの合計(FX業者合計列)を比較すると、最もスプレッドが狭いFX業者はTitanFX(8.2pips)、続いてLAND FX(9.1pips)、さらに続いてHotForex(10.8pips)という結果となりました。
  • USDJPY、EURUSDの日本人トレーダーにとってメジャーな通貨ペアではLAND FXが双方でスプレッド平均値が最も低いという結果でした。
  • ドルストレート以外の通貨ペアはスプレッドが広がる傾向がある中で、TitanFXはGBPJPY以外の平均値が2.0未満と非常に優秀な値となりました。
  • 日本人に最も人気のあるXM Tradingや、まだ参入して間もないFXGTは、スプレッドの観点では優位性は見受けられませんでした。

3.本記事のまとめ

  • スプレッドの観点で調査期間における成績の良いFX業者はTitanFX、LAND FX、HotForexとなりました
  • FX業者ごとに他社と比較して優位な通貨ペアが異なるため、ご自身がメインで利用する通貨ペアを想定して上記一覧を参考にしてみてください。
  • XM TradingFXGTなどはスプレッドの結果に特徴がない分、入金ボーナスが充実しているという一面もあるため、本記事最下部の関連記事も参照の上ご判断ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

4.参考

 参考情報として、各FX業者のスプレッド最小値、最大値を掲載いたします。最大値、最小値はごく短時間の値である可能性もあるためFX業者を選定するうえでさほど重要ではありませんが、最大スプレッドなどはFX業者により大きく異なっていることなどがわかりますので、ご興味のある方はご覧ください。

4-1.海外FX業者のスプレッド(最小値)一覧

※数値の単位は"pips"です

FX業者 USDJPY EURUSD GBPUSD EURJPY GBPJPY XAUUSD FX業者合計
XM Trading 1.5 1.6 1.9 2 3 2.3 12.3
TitanFX 1.1 1.1 1.1 1.1 1.6 0.6 6.6
FXGT 1.5 1.3 1.3 1.7 2.1 1 8.9
FBS 0.8 0.5 0.4 1.3 1.9 0.4 5.3
LAND FX 0.1 0.1 0.1 0.2 0.1 0.3 0.9
Tradeview 1.9 1.8 1.9 1.9 2 3.1 12.6
HotForex 1.4 0.8 1 1.4 2.2 1.7 8.5
4-2.海外FX業者のスプレッド(最大値)一覧

※数値の単位は"pips"です

FX業者 USDJPY EURUSD GBPUSD EURJPY GBPJPY XAUUSD FX業者合計
XM Trading 12.1 13.6 15.7 14.7 16.9 20 93
TitanFX 21 21 21 31 31 20.6 145.6
FXGT 20.2 27.4 63.2 47.6 95.5 24.5 278.4
FBS 28.1 37.2 38 52.8 88.9 27.3 272.3
LAND FX 7 7 10.3 8.1 10.3 11.2 53.9
Tradeview 11.8 11.7 21.8 36.8 21.8 27.9 131.8
HotForex 15 12 16.2 20 30 10 103.2

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