1.本記事について

1-1.本記事の目的

 国内FXと比較した海外FX全般の特徴として、「ハイレバレッジでの取引」があげられます。

 レバレッジを調べる際にはその業者の「最大レバレッジ」にのみ目が行きがちですが、多くのFX業者が有効証拠金の金額に応じたレバレッジ規制を設けています (同一業者で複数口座を保持している場合にはトレーダー単位の合計証拠金額で上限が設定されます。)。

 常に同じレバレッジで取引を行えるとは限らないという点を踏まえて、本記事の各業者のレバレッジ規定一覧をご参照いただき、想定している証拠金額に合わせてFX業者選定の参考としてください。

1-2.ハイレバレッジは危険?

 ハイレバレッジというと「危険」、「リスクが大きい」という意見がよく出てきます。

 実際にハイレバレッジを適用しているトレーダーがポジションを無理に持ち続けることで強制ロスカットとなる事例は発生しているためにそのような印象を持たれていると考えますが、FX取引におけるリスクは証拠金に対する必要証拠金の割合(証拠金維持率)でコントロールすることが可能です。言い換えると、「ハイリスクな状況はトレーダーの判断ミス、不十分な資金管理によってのみ生じるもの」であり、レバレッジの倍率で決まるものではありません

 トレーダーによる資金管理が十分になされている範囲であれば、少ない必要証拠金で多額のトレードを行えるハイレバレッジの方がトレーダーにとって取引の自由度は高い(取引における選択肢が多い)と言えます。

1-3.記載内容の前提事項

本記事を参照いただくにあたり、以下が前提となることを予めご了承ください。

  • 比較対象の会社について
     本記事で記載するFX業者は下記の関連記事で紹介を行っているFX業者となります。
  • 口座タイプについて
     本記事で記載する値はすべて「MT5スタンダード口座」での調査結果となります。
  • 有効証拠金に応じたレバレッジ制限について
     各一覧内で「有効証拠金高に応じた最大レバレッジの変動」を記載していますが、$1,000,000(約1億円)など多額の資金で運用する場合は公式サイトに記載されていない倍率での制限がかかるケースがあるようです。
     本記事では有効証拠金$300,000(約3千万円)までを調査対象としています。それ以上の残高で取引を行う際は、事前にFX業者に問い合わせていただく必要があるためご注意ください。
    ※公式サイトに記載がある場合は$300,000以上であっても分かる範囲で記載しております。
     また、表内の「有効証拠金」は「取引をしている口座」のみではなく「該当のトレーダーが所有するすべての口座」の有効証拠金の合計を意味するため、複数の口座で運用する場合はご注意ください。

2.海外FX業者のレバレッジ規定一覧

FX業者 最大レバレッジ(倍) 口座作成時点のレバレッジ
XM Trading 有効証拠金による変動制
~$20,000:888
~$100,000:200
$100,001~:100
口座作成時に選択
TitanFX 500 口座作成時に選択
FXGT ①スタンダード口座(ダイナミックレバレッジ)
取引量による変動制(通貨ペアのロット数合計で動的に計算される)
~$300,000(約3ロット):1,000
~$1,000,000(約10ロット):500
~$2,000,000(約20ロット):200
~$3,000,000(約30ロット):100
~$5,000,000(約40ロット):50
$5,000,001~(約40ロット):20

②FX専用口座(エクイティレバレッジ)
口座残高による変動制
~$10,000:1,000
~$20,000:500
~$40,000:200
$40,001~:100

口座作成時に選択
FBS 有効証拠金による変動制
~$200:3,000
~$2,000:2,000
~$5,000:1,000
~$30,000:500
~$150,000:200
$150,001~:100
※ただし「100%入金ボーナス」を適用した
場合は有効証拠金が$5,000未満であっても
「500倍が上限」となる
(100%入金ボーナスの
適用は口座開設後にトレーダーが手動で実施する)
口座作成時に選択
LAND FX 有効証拠金による変動制
~$50,000:500
~$100,000:200
$100,001~:100
口座作成時に選択
Tradeview 500 100倍
(変更を希望する場合は
カスタマーサポートに
問い合わせが必要)
HotForex 500 口座作成時に選択

3.有効証拠金に応じた最大レバレッジの早見表

 「2.海外FX業者のレバレッジ規定一覧」にて、FX業者ごとのレバレッジ規定についてご理解いただいたと思いますが、各社独自の基準で残高に応じた制限を設けているため、自身が取引する際にどのFX業者が適切かのイメージが難しいと思います。
 そこで、以下「表:有効証拠金に応じた最大レバレッジ早見表」にて、有効証拠金の範囲ごとにどのFX業者のレバレッジが最大となるかを表現しました(表内オレンジ枠部分)。
 この表を利用することで、「ご自身の投資金額で最も大きなレバレッジを適用できるFX業者」を確認することができます。

 例①:適度に出金を行い、有効証拠金が平均$15,000(約150万円)程度での運用を想定している
   ⇒下記表の縦軸「有効証拠金」:「$10,000~20,000」の範囲がオレンジとなっているFX業者「XM Trading」で適用可能な「888」倍が最も大きなレバレッジとなります。

 例②:利益が出たら頻繁に出金を行い、有効証拠金を$3,000(約30万円)程度でキープしたいと考えている方
   ⇒下記表の縦軸「有効証拠金」:「$2,000~5,000」の範囲がオレンジとなっているFX業者「FXGT」、「FBS」で適用可能な「1,000」倍が最も大きなレバレッジとなります。

 例③:大きなロットで取引したいため、口座には常に$100,000(約1千万円)は入れておきたい方
   ⇒下記表の縦軸「有効証拠金」:「$100,000」のラインでオレンジとなっているFX業者「TitanFX」、HotForex」で適用可能な「500」倍が最も大きなレバレッジとなります。

4.本記事のまとめ

  • 資金管理を前提として必要証拠金に対して高い利益を狙うことができるという点で、レバレッジは可能な限り高い環境で取引することをお勧めします
  • 海外FX業者ごとに、適用できる最大レバレッジの値は異なります。また、FX業者ごとに、独自の基準で有効証拠金に応じたレバレッジ制限を設けているケースがあります。
  • レバレッジの観点で海外FX業者を選定する場合、各社の最大レバレッジのみではなくレバレッジ制限を加味し、ご自身の想定している有効証拠金に合わせて判断することが重要です。
  • これから海外FXを始める方が投資金額として考えることの多い「50~200万円」の証拠金であれば、最も大きいレバレッジを適用できる「XM Trading」、「FXGT」での口座開設を推奨します。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

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