国内FX、海外FXとは?

国内FX、海外FXという言葉を聞いたことがありますか?
この2つはトレーダーがFX取引を行うということには変わりありませんが、運営するFX業者の資本が日本にあるか海外にあるかという違いがあります。

本記事では、FX業者を選定するにあたってまず最初に考えるべきポイントである国内FX、海外FXの違い及び業者選定のポイント7つをご紹介します。

なお、ここでは国内FX、海外FXの大まかな違いのご説明に留めていますので、海外FX業者の詳細についてお知りになりたい方は以下の記事をご参照ください。

国内FXにするか?海外FXにするか?選び方のポイント

国内FX、海外FXどちらにするべきかの7つのポイントをご紹介します。

金融ライセンスの違い

国内FX、海外FXの差異の前提として、「所持している金融ライセンス」が大きく関わります。
以下に、国内FX業者が保持している日本国内の金融ライセンスによって受ける規制をトレーダー目線でご紹介します。

<メリットとなる国内金融ライセンスによる規制>
・信託保全が義務付けられている
・出金に制限をかけてはいけない

国内FX業者は信託保全が義務付けられており、FX業者の破綻などのリスクに強いこと、出金に制限をかけてはいけないことなどがあります。
しかし、海外FX業者も他国においてメジャーな金融ライセンスを保持しているケースも多く、ほぼ同等の規制が存在するため、それほど心配する必要はないと考えられます。

<デメリットとなる国内金融ライセンスによる規制>
・レバレッジを25倍以上にできない
・追加証拠金をFX事業者で保証できない

日本の金融庁の金融ライセンスはトレーダー保護のための制限が厳しく、その結果逆にトレーダーのデメリットとなるケースがあります。一方、海外FX業者は所持する金融ライセンスをうまくコントロールし、ハイレバレッジの取引を行うための条件をそろえています。

ポイント
  • 国内FX業者は日本の金融ライセンスを取得しているが、規制が厳しいことでトレーダーにデメリットとなっている場合がある
  • 海外FX、国内FXには日本の金融庁の金融ライセンスの有無に差異があるが、海外FXも他国の金融ライセンスを保持している場合が多く安全性に大きな差異はない

金融ライセンスの詳細については、別記事にて解説しておりますので、より詳細をお知りになりたい方は以下の記事をご参照ください。

レバレッジの違い
  • 国内FXはどの業者も一律25倍が最大
  • 海外FXはレバレッジ制限がなく業者毎に独自に25倍を超えるレバレッジ制限を設定している
    ※KABUTO-Projectで調査した海外FX業者の中では最大3000倍という業者もあります

レバレッジは、少ない証拠金で大きな取引ができるというメリットがありますが、 ロスカットにあった場合に追証(追加証拠金)が発生するケースがありますので注意が必要です。その際に非常に重要なのがゼロカットシステムの有無です。
次項の「追証(追加証拠金)の有無の違い」でもご説明していますが、国内FXでは金融庁の取り決めによりゼロカットシステムの採用(FX業者により追証の補償)が禁じられています。そのため、国内FXはトレーダー保護のためにレバレッジに25倍までの制限をかけています。

ポイント
  • 国内FXは25倍のレバレッジ制限があるが、海外FXには制限がなく業者毎に独自のレバレッジ制限を設定している
  • レバレッジと合わせてゼロカットシステムの有無も確認する必要がある

なお、海外FX業者のレバレッジについては、詳細を調べた記事を用意していますので海外FXをご検討の際には参考にしてください。

追証(追加証拠金)有無の違い

追加証拠金とは、相場の急変動などで各FX業者が用意しているロスカットが正常に働かないことで(急変動により約定が遅れることで)思わぬ損失が出た場合に、追加で請求を請けることを言います。
国内FXは、金融庁の取り決めにより、投資活動の結果発生する顧客の如何なる損失もFX業者が保証することはできません。
一方、海外FXはこの規制を受けないため、ロスカットが正常に働かないことによる損失をFX業者が保証してくれます。これを「ゼロカットシステム」と呼びます。
このゼロカットシステムの採用により、トレーダーは追証を意識することなく高いレバレッジでの取引が可能となっています。
ただし、海外FX業者ごとに規定が異なりますので、事前に規定をご確認いただくことを推奨します。

ポイント
  • 海外FX業者は、ゼロカットシステム(FX業者が追証を補償する仕組み)を採用することができる
  • ゼロカットシステムを採用できるのは海外FX業者のみであり、国内FX業者は規制により採用することはできない
  • 海外FXではトレーダーは追証を意識することなく高いレバレッジでの取引が可能である

なお、以下の記事ではゼロカットシステムを採用する海外FX業者を紹介しておりますので、海外FXをご検討の際には参考にしてください。

税金の違い

FXの取引に慣れてくる頃には、納税についても意識する必要があります。
FXにより得られた収入は国内、海外関わらず雑所得となりますが、税金の計算方法が異なりますので注意が必要です。但し国内、海外共に利益が日本円換算で20万円を超えた場合のみ申告が必要となるため、20万円に達しない場合にはその限りではありません。(厳密には職業・収入に応じて20万円、38万円の制限があります。)

なお、税金に関しては税理士しかアドバイスを行うことが許されないため、当記事はあくまでも参考として捉えてください。確定申告の際には、税務局や税理士にアドバイスを求めた上での納税を行ってください。

<国内FX>
分離課税:
 FXで出した利益について、一律20.315%の税率で課税されます。
 サラリーマンの方は本業の収入とは別枠として課税されます。

<海外FX>
総合課税:
 FXで出した利益について、その事業で得た所得と合算し、総所得に対して課税されます。
 サラリーマンの方などは本業の給料に上乗せした上での累進課税となるため注意が必要です。

ポイント
  • FXの利益は雑所得扱いとなり、国内FXは分離課税、海外FXは総合課税となります
  • 総所得が少ない場合には海外FXの方が課税割合が小さくなりますが、所得が増えると国内FXの税率20.315%を超え課税割合が大きくなります

税金については今後別記事にて詳細をお伝えしていこうと思います。

取引方式の違い

取引方式自体をあまり意識することは少ないかもしれませんが、FX業者内での取引方式は主に手数料やスプレッドとしてトレーダーに跳ね返ってくる部分がありますので、大まかにどのような取引方式があるかを認識いただければと思います。

取引方式は、大きく分けて DD(Dealing Desk)方式 、 NDD(No Dealing Desk)方式の2つに分かれます。

DD方式は主に国内FX業者が、NDD方式は主に海外FX業者が採用している方式です。
詳細を記載するとかなりのボリュームになるため、特徴のみを記載します。

<DD方式の特徴>
 ・トレーダーとインターバンク市場(金融機関)の間にFX業者が介在する
 ・NDD方式と比べて約定力が低い(スリッページが大きいケースがある)
 ・スプレッド(手数料)が低く固定で設定されるケースが多い
 ・トレーダーの投資金を元手にディーラーが独自に運用を行っているため、負けるトレーダーが
  多いほどFX業者からトレーダーへの支払いが減りFX業者の利益が大きくなる
  (FX業者とトレーダーがwin-loseの関係 )

<NDD方式の特徴>
 ・トレーダーの注文をFX事業者がそのままインターバンク市場に注文するため透明性が高い
 ・DD方式と比べて約定力が高い(スリッページが小さい)
 ・取引コスト(スプレッド、手数料等)がDD方式と比べて高いケースが多い
 ・FX業者は手数料若しくはスプレッドによって収益を上げるため、
  トレーダーが継続取引を行うことで儲ける(FX業者とトレーダーがwin-winの関係)

 DD(Dealing Desk)方式 、 NDD(No Dealing Desk)方式のFX取引方式の違いと特徴

必ずしもどちらがよいということはありませんが、トレード経験が豊富で約定力を重視するトレーダーは透明性の高い海外FX事業者を選定されるケースも多いようです。

また、NDD方式の中でも、STP(Straight Through Processing)方式、ECN(Electronic Communications Network)方式の2種類がありますが、海外FX業者はSTP方式、ECN方式両方を採用している場合が多く、ボーナスの条件などで差異が設けられているようです。
STP方式、ECN方式については今後別記事にてご紹介しようと思います。

ポイント
  • 国内FX業者はDD方式、海外FX業者はNDD方式を採用しているケースが多い
  • 手数料、スプレッドに関してはDD方式を採用している国内FXが低い傾向がある
  • DD方式はFX業者とトレーダーがwin-loseの関係、NDD方式はFX業者とトレーダーがwin-winの関係である

プラットフォームの違い

FXの取引を行う際のチャート確認、エントリー、決済、収益の確認等を行う際に利用するツールをプラットフォームと呼びます。取引を行う際の使い勝手、決済速度などのツールの性能もFX業者選定の大きなポイントとなります。

<MT4/MT5>

主に海外FXで採用されている取引プラットフォームであり、多くの海外FX取引業者でMT4/MT5を共通のプラットフォームとして利用しています。(MetaTrader4、MetaTrader5の略称)
共通で利用されているだけあり、多くのトレーダーの声を反映し改善されており、独自プラットフォームに比べ優位である部分が多いです。また、多くの会社で共通的に利用されているため、一度使い方を覚えてしまえば、別のFX業者へ変更してもすぐに取引を開始できるメリットがあります。

なお、KABUTO-Projectで提供しているEAは、プラットフォームにMT5を採用しています。
MT4/MT5の数字はバージョンを指しており、名前の通りMT5が最新のプラットフォームとなっており、処理スピード等が大きく進化しています。
MT5に未対応の海外FX業者もありますので海外FX会社を選定する際には対応しているバージョンも大きなポイントとなります。
この2つのバージョンの違いについては別記事にてご案内したいと思います。

<国内独自プラットフォーム>

国内FX事業者ではほとんどの場合、自社の独自のプラットフォームを採用しています。中にはMT4/MT5を採用している国内FX業者もいくつかあります。
国内FXで業者を選定される方は、各社の用意しているツール・アプリの使い勝手も大きなポイントとなります。

ポイント
  • 海外FXはMT4/MT5という共通のプラットフォームを利用しているケースが多いが、MT5に対応していない業者もあるため注意が必要
  • 国内FXは独自プラットフォームを採用しているため、ツール・アプリの使い勝手も業者選定のポイントとなる
  • MT4/MT5は海外FX業者で広く浸透しており、各社共通で利用できるため、一度使い方を覚えれば他社口座を利用する場合にも同様の操作で取引が可能
ボーナスの違い

ボーナスとは、取引を行う際に証拠金に上乗せできるFX業者独自に発行している仮想的なお金です。
特にFXをこれから始める方などは、ボーナスを上乗せして取引を開始できるため、FX業者選定の大きなポイントとなります。

ボーナスを採用しているのは主に海外FXが中心となります。
これは、上記の「取引方式の違い」でもご説明した通り、FX業者とトレーダーがwin-winの関係である=
トレーダーが継続的に取引を行うことがFX業者の利益にも繋がることから、トレーダーの取引を促すための施策だと考えられます。

一方、トレーダーへの還元という意味では、国内FX業者もキャッシュバックを行っているケースがありますが、一定の取引量が必要などの条件があり、会社によっては非常に厳しい条件が付けられているため、安易にキャッシュバック金額だけに囚われずに条件面も十分に確認を行う必要があります。

例) 某大手国内FX業者のキャッシュバック条件
 ・必要取引量:1-500万通貨
 ・キャッシュバック額:4,000-24,000円
 ・取引期限:口座開設から2ヶ月
これは、口座開設から2ヶ月の間に500万通貨(海外FXで言うと50lot)の取引を行うと満額の24,000円を手に入れることができるという意味です。
FX経験のある方であればお分かりだと思いますが、1lot単位の取引は一回の取引で最低でも数千円~数万円前後の利確/損切が発生するため、50lotの取引をうまく行わないとキャッシュバック以上の損失となりかねません。この例の場合、キャッシュバックは「おまけ」程度であるためFX業者選定のポイントとはなり得ないと言えるでしょう。

ポイント
  • ボーナスを実施しているのは海外FXが中心であり、条件も海外FXの方が好条件である
  • 国内FXはキャッシュバックを実施している場合もあるが、多くの取引量等の厳しい条件が設けられているケースが多いため条件を吟味して業者選定を行う必要がある

なお、海外FXのボーナスにはいくつかの種類があります。
詳細は別記事でも記載していますので、ご興味のある方はご参照ください。

まとめ

当記事では、国内FX、海外FXの違いと、FX業者選定のポイントをご紹介しました。
いずれも国内、海外を選ぶ際のポイントに絞って記載しておりますので、まずは国内FX、海外FXのどちらにするのかを選定いただければと思います。

海外FXを検討される方は、海外FX業者の比較記事もご用意していますので、ご参照ください。

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